医療的ケア児も安心して参加できる “あたらしい七五三” を実現
— 元麻布保育園が地域協働でインクルーシブな文化体験を提供 —
元麻布保育園(港区)は、区内で初めて医療的ケア児・障害児の集団保育も行うインクルーシブ保育園として開設され、2025年4月より社会福祉法人芳美会と認定NPO法人おれんじハウスの共同事業体で運営を行っています。
おれんじハウスはこれまで医療的ケア児・障害児支援を専門的に行ってきた経験を持ち、そのノウハウを生かしながら、元麻布保育園でも一般クラスと医療的ケア児が自然に混ざり合うインクルーシブな環境づくりを進めています。
■ 取り組みの背景:
「七五三をしてあげたい」その願いを叶えられない家庭がある現実
医療的ケア児や障害のあるこどものご家庭には、七五三を迎えても
・移動の負担
・着付けの難しさ
・長時間の外出への不安
・“迷惑をかけてしまうのでは”という周囲への気兼ね
などの理由で、文化的体験をあきらめてしまうケースが少なくありません。
今回の七五三企画は、港区の地域団体のつながりから「きもの縁ブレイス」さんよりお声がけをいただいたことをきっかけに実現しました。
きもの縁ブレイスさんは、障がいや医療的ケアがあるお子さまに寄り添い、“オーダーメイドの七五三” をプロデュースしてきたボランティア団体です。
■ 今回の取り組みの意義
今回の七五三では、次の3つの点が特に大きな意味を持ちました。
① 七五三をあきらめていたご家庭に、園という“安心できる場所”でお祝いの機会を提供できたこと
慣れた園内だからこそ、「うちの子でもできるかも」という安心感が生まれ、医療的ケアがあっても安全に参加することができました。
② インクルーシブ保育を進める園だからこそ、地域と協力して新たな文化体験を創出できたこと
地域の専門家・ボランティアと園の職員が協働することで、“みんなでつくる七五三” が可能になりました。
③ こどもたち・職員全員で、節目を祝い合う文化を園全体で共有できたこと
3歳・5歳・7歳の節目を園全体でお祝いし、“みんなで幸せを願う文化” をこどもたち同士で共有しました。
■ インクルーシブ保育の実現に向けた大切な一歩
今回の取り組みは、「医療的ケア児でも伝統文化を等しく体験できる」というインクルージョンの実装であり、元麻布保育園のインクルーシブな園づくりの大きな前進となりました。
おれんじハウスと芳美会は、今後も地域・企業・専門家と力を合わせながら、“すべてのこどもが文化体験にアクセスできる園づくり”を推進していきます。







